コンプレスポーツの2万円福袋を買ってみた Episode 2

前回までのあらすじ)

コンプレスポーツ (Compressport)のトレイルランニング2万円福袋を買ってみたら、スイステクノロジーを感じる素敵な商品がいっぱい入っていました。特に、このシャツはマルチシーンに対応(トレイルランニング、トライアスロン、忘年会の余興)していて秀逸と思いました。

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4万円分の商品が入っていると謳う福袋ですが、定価を合算しても35,200円でした・・・

(前回までのあらすじ、おわり)

4万円分の福袋に3万5000円しか入っていないのはなぜか、と販売会社に問い合わせました。1点入れ忘れがあったとご回答いただき追加の商品が送られてきました。

3Dサーモ シームレスフーディ

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(注:コンプレスポーツのヘッドバンドとキャップは福袋の商品ではないです)

こちらは運動にも普段着にもいい感じで気に入りました!コーディネート例のように砂漠でも役立つ可能性が高いと思います。暑すぎるかもしれませんが・・。

古いモデルのようで定価が分からなかったのですが、類似の商品から推測すると1万円以上でしょう。ということで、4万5000円くらいは入っていたと思います。

コンプレスポーツ最高ッッ!!

コンプレスポーツの2万円福袋を買ってみた

高校生の時に某ブランドの福袋を買ったら、虹色チェックのスーツが入っていました。5年ほどタンスの肥やしにしてから捨てました。

それから福袋を避けて生きてきたのですが、コンプレスポーツ(COMPRESSPORT)の福袋が目に留まりました。2万円で販売していますが、約4万円相当の品物が入っているそうです。並ばずにオンラインで買えるのもいいですし試してみました。中身がこれです。IMG_2043

UTMB 2019モデルのソックスが2足入っていて気に入りました。2足で1万円くらいします。それ以外は・・・どうなんでしょう。特にスゴいのは3Dサーモ ウルトラライト ロングスリーブシャツ(白)です。さすがコンプレスポーツ、軽くて薄くて服を着ていないみたいです!というか、白くて薄いのでへそも乳首も胸毛もスケスケで変質者みたいです。私が人生で所有したTシャツで2番目に薄いです。(一番薄かったのは香港の屋台で買ったTシャツ)

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コンプレスポーツ最高ッッ!!

この記事のために値段を調べて驚きました。

3DサーモウルトラライトLSシャツ

11000

アームフォース

3800

クワッド

8000

プロレーシング
ソックス V3.0 ウルトラトレイル UTMB 2019

3000

フルソックス レース&リカバリー UTMB2019

7500

ヘッドバンドON/OFF

1900

約4万円の品物が入っている、とあるのですが、税抜き定価で35,200円でした・・・。まあ千の位で四捨五入したら4万円ではありますが、35,200円を約4万円というのはどうなんでしょう。今後は福袋を買うまいと決意を新たにしたのでした。

GPSウォッチ対決2: 私は空を飛んでいた

前回の実験が楽しかったので、さらにスケールアップして実験しました。方法は前回の記事と同じです。ただし、2点変更があります。

  1. スントの入門モデルであるAmbit3 Runも装着しました。
  2. Fenix5の設定をGPS + GLONASSに変えました(こちらの方が性能がいいという話を見たので)

実験2 矢田丘陵トレイルラン

のんびり休憩をはさみながらのトレイルランです。今回は距離に大きなばらつきがあります。

  • Suunto9: 16.53km, 708m
  • Ambit3 Run: 15.88km, 609m
  • Garmin Fenix5: 15.43km, 734m

GPXデータを抽出すると、標高にも大きな違いがあります。下は距離を横軸に、標高を縦軸にとっています。1km付近は生駒聖天です。正しい標高を灰色の線で示しています。Ambit3 (緑)が一番正しい標高を示しています。10km付近で休憩をとっているのですが、ここで距離に大きな違いが生じます。

今度は横軸に時刻、縦軸に距離を示しています。11時45分~12時ごろに休憩をとったのですが、この際動いていないのにFenix5 (赤)とSuunto9 (青)の距離が増えていきます。

Google Earth Proで観察すると原因は明らかです。休憩時間にFenix5とSuunto9は信号が暴れまわっています。特にSuunto9(青)がひどく、最大90mも離れた地点を示しています。

この休憩時間にSuunto9, Fenix5ともに距離が1km増えています。

そのほか気になるのが標高のずれが大きい点です。

Suunto9 (青)は高度が大きくずれ、空を飛んでいるような軌跡になっています。最大30m高くなっています。Garmin Fenix5(赤)もずれています。Ambit3 Run(緑)ではそのような傾向はみられません。

軌跡はどの機種も不正確です。舗装路を走った区間を調べてみるとどの時計も上手になぞれていません。

谷間の舗装路を走った区間。どの時計も道路(細い緑線)からずれている。最大20mのずれがある。

見晴らしの良い橋を渡ったところ。どの機種も橋の上を通っていない。Ambit3(緑)が橋に一番近いが。

結論:今回はAmbit3が一番正確そうな印象です。Suunto9とFenix5はどちらも標高の測定、止まっているときの処理に大きな問題がありました。

実験3

次に、比叡山のトレイルランで3台を試しました。今回はSuunto9(青線)のパフォーマンスが際立って悪い結果となりました。Suunto9は瓜生山から何度もシグナルを失ってワープしています。ワープしたところは軌跡が直線になっています。

横軸に距離、縦軸に標高を示します。Suunto9はシグナルを失ったことが影響したのかほかの二つと距離が大きくずれています。一方、標高についてはどの時計も同じような数値を出しています。最高点は石鳥居で、その標高を灰色で示しています。どのウォッチも大体正確に測れているようです。

結論

前回はFenix5の一人負けでしたが、今回はFenix5, Suunto9ともにいまひとつの結果となりました。実験2では標高のずれが大きいのですが、実験3では標高は正確です。日によって標高の正確さが変わる原因は天気でしょうか。

距離の測定はシグナルを失うと大きくずれるようです。実験1ではFenix5, 実験3ではSuunto9がシグナルを失っていました。木など遮蔽物が原因と思いますが、同じ日、同じ場所でも機種によってシグナルを失ったり失わなかったりする理由は分かりません。

全体として、GPSウォッチを数回使っただけで性能を測るのは不可能と感じました。日によってパフォーマンスが大きく異なるからです。おそらく、衛星の位置や天気が日によって異なるのが原因です。Fellrnrでは100ラップ以上のデータをとってGPSウォッチをベンチマークしています。定量的な方法で回数を重ねないと真の性能は測れません。普通のギアレビューでは不十分と思います。

驚いたことに、高級機種のGPS性能が特に良いわけではないようです。今回の実験では2万5千円くらいで買ったAmbit 3 Runが一番安定していました。これはGPSウォッチを買い替える際に意識した方がいいです。

友達と走ると大体GPSウォッチの数値にずれが出るものですが、その原因の追究は非常に難しいと感じました。

Suunto 9 vs Garmin Fenix 5: GPSの性能を比較する

皆さんはギアを選ぶとき、どこを参考にするでしょうか。私はfellrnr.comを一番信用しています。ここの管理者はGPSウォッチを自腹で多数買ってベンチマークをしています。分析が非常に細いです。

しかし残念ながら最近のモデルは扱っていません。ですので、ガーミンとスントの最高機種のどちらがいいのか自分で試してみました。

機種

  • Garmin Fenix 5 (APAC model, Software version: 12.40, GPS: 2.5.0)
  • Suunto 9 BARO (Software: 2.6.54)

方法

  1. 左腕にスント、右腕にガーミンを装着
  2. ガーミンの設定はGPS: Normal (GPS only)、スントはデフォルトの設定のままで。
  3. それぞれトレイルランニングのモードにし、GPSの信号を受信するまで待つ
  4. 同時に測定開始
  5. 大宮林道(往復10km)を3往復して測定終了
  6. GPXファイルからPythonでタイムスタンプ、高度、距離を抽出して比較する

両手にGPSウォッチ。まともじゃない光景です。

結果

それぞれの公式サイト上の統計は以下の数字でした。驚くほど一致しているようです。

  • スント 総距離30.1km, 上昇量1202m
  • ガーミン 総距離 30.22km, 上昇量 1201m

しかし、GPXファイルからデータを抽出するとかなりずれがあります。

横軸が距離、縦軸が高度です。赤がガーミン、青がスントです。高度の測定はだいたい一致していますが、2周目後半から距離のずれが目立ち始めます。

時間に対して距離、高度をプロットしてみます。やはり2周目の終わりあたり、10時ごろから距離のずれが目立ち始めます。

さて、スントとガーミンどちらが正しいのでしょうか。林道の正確な距離は不明です。ですので正確さ(真の値に近いかどうか)は不明です。

ですが、同じ林道を行ったり来たりしているので1周当たりの距離は同じはずです。その観点から、1周ごとの距離にばらつきが目立つガーミンよりスントの方が距離の精度が高い(=測定のばらつきが少ない)と言えます。一方、高度についてはガーミンの精度が高いようです。スントの最高点、最低点ともにばらつきがあります。スントが売りにするfusedaltiの機能が逆効果である可能性を疑います。

さて、距離の違いはどこから来たのでしょうか。GPXファイルをGoogle Earth Proで観察すると一目瞭然です。

先ほどと同じく赤がガーミン、青がスントです。赤の線があらぬところを通って暴れていることが分かります。青の線もそれなりに暴れているところがあります。高い木が多い大宮林道ではGPSウォッチの性能はこの程度なのでしょう。

というわけで、大宮林道の1回戦はスントの勝ち、と結論します。結構面白いので2回戦もやるかもしれません。

Garmin Fenix 5のGPSの性能が低いのではないか、というのはガーミンの公式フォーラムで話題になっており、それを確認できたように思います。